7割反対、市民無視の再開発

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 京都市では「岡崎地域活性化ビジョン」と銘打ち、岡崎地区をMICE戦略の拠点へと変貌させようと計画しています。京都会館の再整備もその一環として位置づけ、本来の目的である市民のための施設とは異なる商業的な施設として建て替えようとしています。同時に周辺の住環境に関わる規制も緩和され、今まで不可能だった規模の商業施設が誘致できるようにされました。この重大な変更にもかかわらず住民にさえ十分な説明を行わず、規制緩和を断行するなど、かなり強引な手法の都市計画が実行されつつあります。岡崎活性化ビジョンに関する都市計画案の縦覧に対しては全体の7割もの反対意見が寄せられました。この事実を知った市民からは多くの反対意見と説明要求が出ていますが耳を傾ける様子がありません。現在、いくつもの市民団体や建築家らの呼びかけに対して多くの署名があつめられており、京都だけでなく全国各地の団体・個人からから計画の見直しの声があがっています。(※画像は岡崎地域活性化ビジョン(京都市資料)より)



学生や市民の文化活動拠点の行方はいかに

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 京都会館では現在、大規模なコンサートの他に一般の市民や学生による発表会や合唱コンクール等)が数多く行われています。しかしながらこの度ロームと京都市の間で交わされた契約では、著名な歌劇、音楽、演劇、舞踏等を実施するにふさわしい機能水準、並びに評判及び名声を確保し維持するという「努力義務」を負わされており、それができないと判断されれば契約を解除され、50億円のうちの残高を返還しなければならないことになっています。現在、市民や学生による催しは数日間にわたってホールの貸出を行うなどしていますが、こういった催しが大規模なイベント等に奪われてできなくなったり、利用料も高くなる可能性があります。
 また、京都会館の広い中庭は学生がダンスや楽器の練習場として使ったり、市民が散歩に来たりと幅広く利用されていますが、現在のプランは新たにカフェなどの商業施設を誘致し「賑わい」を創出するとしており、現状の市民のための憩いの場がなくなる可能性があります。(※画像は岡崎地域活性化ビジョン(京都市資料)より)

複雑な交通事情、後回しの安全対策

 京都会館のある岡崎一帯は現状でも国内外から多くの観光客が訪れる場所です。常時大型バス、タクシー、自家用車が乗り入れるため、慢性的な渋滞も発生しています。高齢者の多い地域にも関わらず消防車、救急車等の緊急車両が出入りしにくいという問題が現状でもあり、また、マナーの悪い観光客による騒音やゴミ問題も多発しています。そして京都会館を含む岡崎公園一帯は万が一の時の緊急避難区域でもあります。これら安全面への具体的な対策が市民はおろか管轄の公共機関にさえ示されておらず、非常に危険であると言わざるを得ません。

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